愛犬がもし鶏の骨を食べてしまったら

犬には食べてはいけない食べものがあります。
飼い主さんは日ごろ十分に気をつけていると思いますが
もし、食べてしまったらどのように対処すれば良いのでしょうか。
犬の誤飲で多い食べ物であげられるのが鶏の骨です。
フライドチキンなどのとっても良い香りにつられて「パクッ」と食べてしまう場合が多いのだそうです。
こんな場合はどのように対処すれば良いのでしょうか。
経験を元に様々な獣医さんや看護師さんに聞きました。

鶏の骨を食べてはいけないのか

よく文献でも加熱した鶏の骨は食べてはいけないものリストに入っています。
しかし、最近では鶏の骨は栄養も豊富で消化できるので安全だという説もあります。
犬の優れた消化能力では骨は溶かすことができるのだそうです。

鶏の骨を食べる場合のリスク

生の鶏の骨はそうではありませんが、加熱すると鶏の骨はもろく、縦に割れやすいです。
その割れた先が喉に刺さったり、万一全て消化されなかった場合に胃や腸に刺さると大変危険です。
最悪の場合は死に至る可能性があります。
骨の加熱具合によっては小さく噛み砕ける場合もありますが、100%安心とは言えません。
食べてから2時間程度で胃へ流れます。
そうすると吐き出させることは困難になります。
その場合レントゲンで骨が写るのでレントゲンで確認することになります。
もし、胃や腸に刺さっていたりなどが見られた場合は内視鏡手術または開腹手術にて取り除きます。
症状としては、嘔吐、下痢、血便、水を多くのむ、元気がなくなる様子がおかしい
などがあります。

実際の症状例(レントゲンにて確認)

大型犬の例

大きめの骨つきフライドチキンを10個食べてしまった。
お腹がパンパンで病院に連れて来られました。
レントゲンで胃の中を観察したところ、ほとんど丸呑みで消化されておらず胃の中に原型が残ってました。
内視鏡では取れないので開腹手術をして取り出し助かりました。

中型犬の例

鶏の手羽元の骨のみを5本くらい食べてしまった。
4〜5時間経過していました。犬はいつもと変わらない様子でした。
レントゲンで胃の中を見たところ、砕かれたような骨と小さい骨が数本写りました。
このまま消化されるだろうと医師の判断で家で様子を見ました。
白っぽい下痢は多少ありましたが、大事に至らず消化できました。

小型犬の例

鶏の手羽先を1本丸呑みしました。
レントゲンで胃の中を見たところ、手羽先が原型のまま写りました。
消化できるかもしれないと言うことで様子を見ました。
翌日のレントゲンには手羽先は見つからず、全て消化されており大事に至りませんでした。

このように鶏の骨は消化はできるものですが内容によって異なります。

生の骨つき鶏にもリスクがある

加熱した骨つき鶏肉は危険があるなら、生なら大丈夫なのではないかと思われることでしょう。
しかし、生肉にはまた別の心配事があります。
衛生状態に注意しなければいけません。
衛生状態が悪いと食中毒や感染症などのリスクが高まります。
今日スーパーで買った新鮮なものだからといっても十分な注意が必要です。
賞味期限切れの生肉などは特に危険なので、あげないでください。

まとめ

加熱した鶏の骨を食べてしまった場合、一番心配されることは骨が喉や胃などに刺さることです。

<方法1>
食べてすぐであれば吐かせることも可能

<方法2>
2時間以上時間が経っている場合は吐かせにくいため、病院でレントゲンで確認してもらう。
最悪の場合はお腹を切る可能性もありますが、骨はある程度胃で溶けるため大丈なことも多い。

生の鶏肉も食中毒や感染の恐れがあるため、リスクがあります。
鶏の骨には栄養がたくさんあると言われます。
しかし、リスクを伴うこともあります。
軟骨などの安心な部分を食べさせてあげることが良さそうです。