猫のお尻から茶色い液体が!肛門嚢の役割と病気について。

猫のお尻から、茶色くて、くさい液体が出てくることをご存じでしょうか?初めて経験する飼い主さんはびっくりされるかと思います。これは肛門嚢と呼ばれる猫の分泌物の一種です。
今回は肛門嚢についてと、病院に行くべきかどうかをご紹介します。

肛門嚢とは?

簡単に言うとにおい袋です。猫や犬は地面や壁にこのお尻をこすりつけ、ごく少量の肛門嚢を出すことで自分のにおいをマーキングします。猫には肛門の左右に1カ所ずつ、肛門嚢を溜めておく袋とその出口になる小さな穴があります。ここから肛門嚢が出てきます。

肛門嚢のにおいはかなり強烈で、衣類や手につくとしっかりと洗ってもしばらくにおいが残ることがあります。

どんな時に出るのか

肛門嚢が一気に出てくることがたまにあります。この記事を読んでいる飼い主さんもきっとそうではないでしょうか?ここからは肛門嚢が出るタイミングについてご紹介します。

  1. 驚いたり、強いストレスを感じた時
    シャワー時やキャリーケースに入る際に猫が抵抗した場合にみられることが多いです。他にも、驚いたときなどに思わず出ちゃった、、、というパターンですね。これらは病気の心配もないので安心してください。肛門嚢がついた箇所をきちんと拭き掃除しましょう。
  2. 病気(肛門嚢炎など)を起こしている時
    肛門嚢が炎症を起こしたり、その結果破裂することがあります。1との見分け方は簡単で、猫の肛門を見た時に腫れや赤みがあれば炎症の可能性が高いです。加えて出血や肛門嚢を出していた場合には、破裂を疑ってすぐに病院に連れて行ってください。

肛門嚢炎

肛門嚢炎の場合、日ごろからサインが出ています。見逃さないようにチェックしましょう。

・症状
頻繁にお尻を床にこすりつける(お尻歩き)
頻繁にお尻をなめる
更に、肛門嚢破裂になると、肛門嚢の噴出がみられます

・治療方法
軽度な肛門嚢炎であれば、病院で肛門嚢を排出させ消毒とお薬をもらって完了です。破裂してしまっていた場合には縫合などの治療が発生することも。頻繁に破裂を繰り返す猫には肛門嚢の除去手術を勧められることもありますので主治医の先生とじっくり相談してください。

・予防方法
肛門嚢がたまりやすい猫は、ご自宅で年に数回、肛門絞りを行うとよいとされています。おしりを気にしているしぐさが増えてきたら肛門絞りを行ってみては如何でしょうか。
~手順~
4つ折りにしたティッシュを猫の肛門に当て、マッサージするように下から上に押し上げます。この時、ティッシュは動かさない(こすらない)ようにしてください。

肛門嚢そのものは体に悪いものではないので安心ですが、何でもないときに噴出したり、お尻を頻繁に気にしている場合には一度診察を受けてみると安心でしょう。