気が付いたら椅子もソファもボロボロ。目を離した隙に、壁にも爪あとがたくさん。猫が部屋のあちらこちらで爪とぎをして、成す術もなく立ち尽くしたことはありませんか。なぜか買った爪とぎは使ってもらえず、おしゃれな家具を置くなんて、夢のまた夢。
爪とぎが止まらない。これは猫ならではの悩みですよね。
そこかしこに爪とぎをされると飼い主は困ってしまいますが、実は猫にとって爪とぎをすることはとてもいいことなんです。猫が爪とぎをするのは、自信があふれていて、元気な証拠。もしも爪とぎをしなくなってしまったのなら、心配したほうがいいくらいです。
猫にとって、爪は大切な部位。ストレッチをしたり、歩いたり、健康な爪なしにはできません。自分の爪の状態を確認するためにも、爪とぎは欠かせない行動です。
また爪とぎはマーキング行動としての意味も持っているので、猫は自分の縄張りを広げようとしているのかもしれません。
爪とぎをやめさせることはできません。しかしこれから爪痕を減らしていくことは、工夫次第で可能です。猫と人間、お互いが心地よく暮らせる環境を作ることは、飼い主の腕の見せ所。猫の様子を見ながら、少しずつ対策をしていきましょう。
猫の爪とぎ、こんな対策をしました
爪とぎされたくない場所は、されても大丈夫な状態に
ソファや椅子には、爪とぎをしても大丈夫なようにカバーをかけておくのがおすすめです。本体を買い替えるのはお金も手間もかかりますが、カバーなら少ない金額で気軽に取り換えることができます。カバーの素材は薄すぎては本体に傷がついてしまうので、できれば厚めの素材を選ぶといいでしょう。
壁は、ツルツルな触り心地にしてしまうことで爪とぎを避けることができます。猫はツルツルな素材で爪とぎをすることは苦手で、ザラザラな素材を好んで爪とぎをします。ホームセンターなどでは爪とぎ防止シートが売られているほか、壁紙にもツルツルな素材のものがあるので、部屋に合ったものを探してみてください。
爪とぎに誘導
用意した爪とぎを使ってくれないときは? 大きさや高さが単に気に入らないだけかもしれません。猫が実際に爪を立てていた場所がどのくらいの高さなのか、どういう姿勢で爪とぎをしているのかなど、想像を膨らませて、置き方を試行錯誤してみましょう。
猫は、飼い主のニオイのものにマーキングをするという特性があります。爪とぎに飼い主のニオイをつけてみるのも効果的です。
爪とぎの置き場所にも工夫が必要です。猫が思わず爪とぎをしてしまう壁や家具の前にお置いてみましょう。家具の配置を変えるなどして、爪とぎしてほしくない場所に猫が行かないようにしてもいいでしょう。猫の様子を見ながら、自分から爪とぎで爪をとぐように仕向けていくことが大切です。
してほしくないときに、びっくりさせる
爪とぎをしてほしくない場所でしようとしたら、手を打ち鳴らして知らせてみます。
猫は大きな音が苦手なので、手を鳴らす行為は猫にとって不快な行為です。「ここで爪とぎをしたら、嫌なことが起こる」ということを学習させていきます。猫が爪とぎしてほしくない場所で爪とぎをするたびに手を打ち鳴らし、少しずつ教えていきましょう。
ここで大切なのが、やはり爪とぎ。とぎたい気持ちを満たしてくれる、使い心地のいい爪とぎなら、猫にとってそれが快感になります。手を打ち鳴らされる不快感を避けて、気持ちよく爪をとげる快感に。この体験を何度も繰り返すことで、猫は徐々に爪とぎに移行してくれます。おやつをあげたりして、褒めることがあってもいいかもしれませんね。
まとめ
爪とぎは猫にとって必要なことです。すぐに解決とはいきませんが、徐々に慣らしていきましょう。また使い古されてボロボロになった爪とぎは、適宜買い替えることが大切です。元気に爪とぎができるように、飼い主も協力してあげてくださいね。
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