ノミ以外の寄生虫。犬は特に気を付けて!

愛犬家の皆さんは日頃から寄生虫対策を行っているかと思います。しかし、時にはその対策を潜り抜けて寄生虫感染を起こすことがあります。今回はその中でも特に、症状が目視で確認できない寄生虫の発見方法をお伝えします。

寄生虫には2種類いる

大きく分けて2種類の寄生虫が存在します。
1つは、ノミやマダニに代表される"外部寄生虫"です。かゆみや炎症を起こすだけでなく、感染症を媒介するため厄介です。一方で症状が目に見えるためわかりやすいです。
もう1つは"内部寄生虫"と呼ばれ犬の体内に入り込み症状を引き起こします。下痢や嘔吐、体重低下、発達不良をはじめ、死につながる病気になることも少なくありません。目に見えない為発見もしづらく、早期の対処がなかなか取れないことも特徴です。

今回はこの"内部寄生虫"の症状を紹介します。愛犬に該当するものがないかチェックしてみてください。

フィラリア

フィラリアは蚊が媒介し、犬が蚊に刺された際の吸血針から体内へと入り込みます。
体内に入ったフィラリアの幼虫は、半年ほどかけて20cmほどの線のような成虫となり、心臓や肺動脈に長期にわたって寄生し続けるのが特徴です。

代表的な症状:
食欲不振やお腹の膨らみ、咳や呼吸困難、血色素尿など

重症化すると死亡するリスクが高まります。
フィラリアは予防や発見方法が比較的充実していますので、定期的に病院に行くことが大切です。

回虫

フィラリア同様にメジャーな存在です。回虫の卵が混ざった土や食物を口にすることで感染します。

代表的な症状:
下痢や腹部膨満、食欲低下、体重減少、毛艶の悪化など
肺付近に帰省した場合には咳などの呼吸症状
嘔吐物や便に10cm前後のそうめんのような形状で回虫が混じるともあります
一方で無症状の場合もあり個体差があります

回虫は一度かかってしまうと完全に駆除するのは難しいといわれており、予防が大切です。

瓜実条虫

サナダ虫の幼虫で、"ウリザネジョウチュウ"と読みます。ノミの成虫に寄生して、犬や猫がグルーミングをした際にノミごと取り込んでしまうケースが多いです。犬の小腸に寄生して、小腸壁から吸血を行って成長していきます。

代表的な症状:
無症状なことが多い
濃厚感染すると下痢症状が見られる
便に混ざって排出されることがある

ノミ対策がそのまま予防に繋がりますし、薬で比較的かんたんに駆除できます。

鞭虫

鞭虫の卵で汚染された食物や水、土などを口にすることで感染します。

代表的な症状:
下痢、粘血便、貧血など
特に子犬は重症化しやすい

犬鞭虫症は再感染を繰り返します。死亡するリスクも高いので、下痢や血便などが見られたら早急に獣医師に相談しましょう。

鉤虫

鉤虫は主に1歳以下の子犬や若犬に寄生します。経口感染、経皮感染のほか、母犬の胎盤や経乳を通じて感染します。

代表的な症状:
タール状の下痢、貧血など

異常が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。清潔なトイレを使用することや皮膚が土に直接触れないようにする対策が有効です。

糞線虫

糞線虫は主に犬の小腸に寄生する内部寄生虫です。タヌキなどの野生動物が生息する地域などを散歩して感染したというケースもあります。

代表的な症状:
軟便、下痢など
抵抗力の弱い犬は重症化しやすい

子犬や免疫力の弱い犬は重症化して衰弱したり、死の危険にさらされることもあります。場合登山などアウトドアで犬を連れて里山に入らないなど、感染リスクのある場所を避けることも大切です。

対策、対処方法

寄生虫の予防は非常に簡単です。定期的な健診と、"定期除虫"を行う事です。定期除虫により今回ご紹介した内部寄生虫の感染リスクを引き下げ、体内にいる虫を追い出します。年齢によって通院頻度が変わりますのでかかりつけの獣医師へ相談してみましょう。
生後3か月まで:2週間に1回
生後6か月まで:月に1回
生後6ヶ月以降:3ヶ月に1回

また、下痢や体重減少が見られた際には内部寄生虫以外の病気も疑われます。悪化する前に早めの病院の受診をしてください。