犬の舌に黒い斑点があるのはなぜ?「舌斑」の原因と注意したい変化

愛犬が口を開けている時に、「舌に黒い斑点がある!」と気付いたことはありませんか?
普段は口の中に隠れているため、ある日突然見つけると「何かの病気?」「前からあったっけ?」と心配になりますよね。犬の舌に見られる黒や青黒い斑点は、「舌斑(ぜっぱん)」と呼ばれる色素沈着であることが多く、健康な犬にも見られます。
しかし、すべての黒い変化が舌斑とは限りません。急に現れたり、大きさや形が変化したりしている場合には注意が必要です。
今回は、犬の舌に黒い斑点ができる理由や舌斑の特徴、動物病院へ相談したい変化について詳しく解説します。
犬の舌にある黒い斑点「舌斑」とは?
犬の舌は一般的にピンク色ですが、一部に黒や青黒い斑点が見られることがあります。これが「舌斑」と呼ばれるものです。舌斑は、皮膚や被毛の色を作るメラニン色素が舌の一部に多く存在することで現れる色素沈着です。人にもホクロやそばかすがあるように、犬にも生まれつき色素の濃い部分が見られることがあります。
そのため、昔から同じ場所にあり、大きさや形、色などに変化がなく、犬自身も普段通り元気に過ごしているのであれば、基本的には大きな心配はいりません。
なぜ犬の舌に黒い斑点ができるの?
舌斑ができる主な理由はメラニン色素です。犬の鼻や肉球、皮膚などに黒い部分があるのと同じように、舌にも色素が現れることがあります。舌斑の形や大きさには個体差があり、小さな点が一つだけある子もいれば、舌の広い範囲が黒っぽくなっている子もいます。また、舌斑があるからといって「この犬種の血が混ざっている」と判断できるものでもありません。その子が持つ個性のひとつとして考えてよいでしょう。
舌斑が見られやすい犬種は?
舌斑はさまざまな犬種に見られます。特にチャウ・チャウやシャー・ペイは、舌全体が青黒い色をしていることでよく知られています。そのほかにも、柴犬や秋田犬、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバーなど、さまざまな犬で舌の一部に黒い色素が見られることがあります。犬種に関係なく現れる可能性があるため、舌に黒い部分があるというだけで異常とは限りません。
子犬の頃にはなかったのに後からできることもある?
「昔の写真ではなかったのに、最近黒い斑点ができた気がする」ということもあります。舌の色素は、成長に伴って目立つようになることがあります。そのため、子犬の頃には気付かなかった舌斑が、成長するにつれてはっきりしてくるケースもあります。ただし、成犬になってから突然現れた黒い部分や、短期間で大きくなっているものについては、舌斑だと自己判断しないことが大切です。
写真を撮っておくと、後から大きさや形を比較しやすくなります。
基本的に心配の少ない舌斑の特徴
一般的な舌斑の場合、表面が平ら・昔から同じ場所にある・急激に大きくなっていない・出血や腫れがない・犬が痛がったり気にしたりしていないといった特徴があります。特に昔から存在し、長期間ほとんど変化していない場合は、その子がもともと持っている色素である可能性が高いでしょう。とはいえ、見た目だけで確実に判断することはできません。健康診断などで動物病院へ行った際に、一度獣医師に確認してもらっておくと安心です。
こんな黒い斑点やできものには注意
犬の舌にある黒い部分がすべて舌斑とは限りません。次のような変化が見られる場合には、一度動物病院へ相談しましょう。急に黒い部分が現れた、短期間で大きくなった、形や色が変わってきた、盛り上がっている、出血している、ただれている、口臭が急に強くなった、よだれが増えた、ごはんを食べづらそうにしているなどです。口の中には炎症や外傷のほか、まれに腫瘍ができることもあります。
「黒いから舌斑だろう」と決めつけず、以前と比べて変化しているかどうかを確認することが重要です。
舌全体の色が変わった時は別のサインかも
舌斑とは別に注意したいのが、舌全体の色の変化です。健康な犬の舌や歯ぐきは、基本的にはピンク色をしています。ところが、体調によっては普段とは違う色に見えることがあります。例えば、舌や歯ぐきが青紫色に見える場合は、血液中の酸素が不足している可能性があります。
反対に、いつもより白っぽく見える場合には貧血や循環不全などが関係していることもあります。このような変化、特に呼吸が苦しそう、ぐったりしている、意識がおかしいなどの症状を伴う場合は緊急性があるため、すぐに動物病院へ連絡してください。
もともと舌に色素が多い犬の場合は、歯ぐきなど普段ピンク色をしている部分も一緒に確認すると変化に気付きやすくなります。
普段から愛犬の舌を見ておこう
舌斑そのものは珍しいものではありませんが、大切なのは愛犬の「いつもの状態」を知っておくことです。舌斑の場所や大きさ、色などを覚えておけば、何か変化があった時にも気付きやすくなります。口を開けている時などに時々確認したり、写真を撮って記録したりしておくのもおすすめです。無理に口を開ける必要はありません。お散歩後のパンティングやあくびをした瞬間など、自然に舌が見えるタイミングでチェックしてみましょう。ペットシッターとして犬たちのお世話をしていると、食欲や排泄だけでなく、歩き方や呼吸、皮膚、口元など、何気ないところから変化に気付くことがあります。
普段から愛犬をよく観察して「いつもと違う」を見つけることは、大切な健康管理のひとつです。
まとめ
犬の舌にある黒い斑点は、多くの場合、メラニン色素による「舌斑」です。昔から同じ場所にあり、大きさや形に変化がなければ、その子の個性のひとつであることが多いでしょう。
一方で、急に現れた、短期間で大きくなった、盛り上がってきた、出血しているなどの変化がある場合には、舌斑以外の原因も考えられます。
また、一部分の黒い斑点ではなく舌全体の色が青紫色や白っぽく変化し、呼吸や元気にも異常がある場合には、早急な対応が必要です。
「いつからあるのか」「以前と変わっていないか」を確認できるよう、普段から愛犬の舌や口の中をさりげなく観察しておきましょう。
何気なく見つけた小さな変化が、愛犬の健康を守るきっかけになるかもしれません。
