「生活習慣病」は毎日の生活習慣の積み重ねで発症する病気です。
人でも気にする人が多いと思いますが、犬にも「生活習慣病」があることをご存知でしょうか。
生活習慣で起こる病気は、外見の変化では気づかないうちに進行し、シニアのはじまりである7歳ぐらいから症状として現れ始めます。食生活が豊かになった反面、高カロリーや高脂質であったり、室内飼育が増えたことで運動不足になったり慢性的なストレスは病気の原因になります。
犬の生活習慣病って?
糖尿病
初期症状としては、飲水量や尿量が増える多飲多尿や、食欲があるのに体重が減少する症状などがみられます。発症すると人と同じく完治は難しいのですが、食生活を改善し、血糖値を抑えるフードにすることで悪化を防ぐように対処します。
自宅でのインスリン注射が必要になる場合もあり、進行すると他の病気との合併症を発症するリスクが高くなります。
肥満が原因になるケースが多く、太りやすい犬種がかかりやすいです。また歯周病を併発すると糖尿病悪化の要因になるため注意しなくてはいけません。
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加齢によって増加する心臓病
犬の心臓病ではもっとも発症率の高い病気が「僧帽弁閉鎖不全症」です。加齢により発生が増加します。
初期症状は「散歩の途中で座り込む」「寝ている時間が長くなる」といった程度で飼い主さんも気付きにくいかも知れませんが、中度になると「散歩に行きたがらない」「食欲が落ちる」「運動後や興奮すると咳をする」などがみられます。
重度になると、「ほとんど動こうとしない」「安静時にも咳が出る」「突然パタンと倒れる」「呼吸困難」などが起こるのです。
安静時の心拍数を知っておくことで早期発見につながります。
その他の心臓疾患として先天性心血管奇形の動脈管開存症、心室中隔欠損症、心筋の機能が徐々に低下する拡張型異常心筋症、寄生虫感染の犬フィラリア症などがあります。
早期発見したいガン
10歳以上の犬の死因のトップはガンといわれています。
犬のガンは獣医療の進歩によって発見しやすくなり、治療の選択肢も広がっています。
何よりも大切なのは人と同様、早期発見・早期治療です。早期発見できれば外科手術や放射線治療、抗がん剤などで生存率が高まります。
まずは、早期発見のために7歳を超えたら定期検診を欠かさず、毎日の観察やスキンシップで体にしこりはないか、体重や食欲に変わりがないかを確認しましょう。
添加物を含んだフードやストレスによって引き起こされるガンも多いと考えられるため、食事を正しく見直し、免疫力を高め、必要な栄養素をしっかり摂ることが大切です。
生活習慣病を予防するためには
「生活習慣病」を予防するためには生活習慣を見直す必要があります。動物医療も発展し、ワクチンなどで防げる病気も増えたため、以前にくらべ長寿になっている傾向にあります。年齢と共に発症数が増える疾患は、すべて増加傾向と言えます。
・肥満にさせない
・歯周病にさせない
・運動不足になせない
・不要なストレスを与えない
愛犬の生活習慣を予防できるのは、ほかならぬ飼い主さんの愛情からの気遣いです。
愛犬が生活習慣病で苦しまないようにするための対策をしていきたいものです。