先日、我が家の愛犬に発症した病気“唾液瘤”についてまとめてみましたので、参考にしてください。
我が家の愛犬は10歳。5歳位から気管支のトラブルが多く目立つ様になり、咳き込み、逆くしゃみ等気管支トラブルと付き合うようになり、9歳からステロイド投与の内服が始まりました。9歳後半に、訪問客のインターフォンで吠えた時に声枯れ、その後キャンキャンと痛がる様子をみせ、頸部に触れてみたところ、しこりのような腫れに触れました。
はじめはリンパ節炎かリンパ癌を疑い、動物病院へ受診しました。このような病気も視野に検査をおこないました。
唾液瘤とは
唾液瘤とは、唾液を分泌する唾液腺、そして唾液を口腔内に運ぶ導管が何らかの損傷を受け、唾液が本来とは違う場所に漏れ出てしまう病気。顎の下や喉、頬、目の下、耳の下あたりにぷっくらとした膨らみが見られるのが特徴との事。
原因
もっとも多い原因は事故や咬傷、異物を口に入れて噛むことなどによる外傷と考えられていますが、はっきりとした原因が特定できることは稀です。犬の唾液腺(だえきせん)や導管に炎症が起こったり、リン酸や炭酸カルシウムを成分とする結石(唾石/だせき)ができたりして、閉塞を起こすことが原因になる場合もあるそうです。我が家の場合も原因はつかめませんが、ジャーキーなどの割った角の鋭利になった食材が影響したのかもしれません。以後ジャーキーは細かくし、硬いおやつはやめました。チュールなどやわらかいものを与えるように切り替えました。高齢になってきたら食材の見直しも必要かと思います。
症状
犬の顎(あご)の下や喉(のど)、首、頬(ほお)、目の下、耳の下あたりなどに腫れと言うより、例えて言うならスライムのような柔らかくぷっくらとした膨らみ(腫脹)ができます。(場所と状況によっては痛みや出血が見られることもあるそうです。)犬の顎(あご)の下から首にかけて膨らみが大きくなり、重度になると、よだれが多い、食べ物が飲み込みづらい(嚥下困難)といった症状が現れます。犬の喉(のど)の中に唾液瘤(だえきりゅう)ができた場合は、呼吸がしづらい、呼吸困難となることがあります。我が家は、この症状がみられました。また痛みからくるものか、発熱、食欲不振、水の摂取なし、震え、寝たまま元気がないといった症状がありました。
注意が必要な犬種
- ダックスフンド
- トイプードル
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- ジャーマン・シェパード
また、性別では雄の方がわずかに多くみられるとのこと
検査・治療
まずは触診にて唾液瘤(だえきりゅう)の変動性や波動性を確認した後、他の病気と識別するために「穿刺(せんし)吸引」を行います。穿刺吸引とは、患部に鍼を刺して血液や体液などを吸引または採取することです。これによって透明~灰白色、もしくは濃い血液のような色で、粘り気が強い液体(唾液)が採取された場合は唾液瘤と診断されます。
腫脹(しゅちょう)が唾液瘤ではなく腫瘍によるものなのか、または唾液瘤(だえきりゅう)だとしても、その原因が異物によるのか、唾石(だせき)によるのかなどを探る場合には、レントゲン検査や超音波検査が必要になります。
どの唾液腺が損傷・閉塞(へいそく)を起こしているのか不明な時には、MRIを用いた唾液腺造影法によって特定することもあるそうです。
一つの治療法としては、穿刺吸引によって唾液瘤の中に溜まった唾液を抜き取る方法がありますが、これは一時的なものであって、再発を繰り返すことになるのはデメリットであるとのこと。
一般的には、手術によって溜まった唾液を除去するとともに、問題となる唾液腺の切除を行うとのこと。
犬の唾液腺は複数あるため、一つを切除したとしても唾液の分泌自体に負の影響が出る心配はないそうです。
費用
犬の唾液瘤(だえきりゅう)の穿刺吸引(せんしきゅういん)および手術をした場合は、抗生物質やステロイド剤の投与が必要になることがあります。我が家は気管支の治療中でステロイド剤の内服中でしたので、鎮痛剤・抗生剤の内服薬の処方でした(こちらの薬剤内服中はステロイド剤は休薬)
穿刺/膿瘍穿刺 | ~3,000円 |
レントゲン検査 | ~1万2,500円 |
超音波検査(心エコー) | ~7,500円 |
MRI検査 | 5万円以上 |
麻酔/全身麻酔 | ~1万5.000円 |
腫瘤切除(参考値) | ~4万円 |
まとめ
犬の顔のまわりが腫れてきたり、吠えた時の声が変だったりするととても心配になります。
幸いにして唾液瘤(だえきりゅう)の場合は痛みがほぼないとは言われますが、我が家の愛犬の様に痛みや発熱などの症状があるときもあり、場合によっては嚥下困難や呼吸困難、眼球突出などの症状が見られ、私は診ていて、愛犬が辛そうで、苦しそうでとても不安な気持ちになりました。時には、危険な状態になり得る可能性もないとは言えないので、早めに動物病院へ行くことをお勧めします。
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